著者
丘 維禮 細谷 睦 山田 宏治 小南 信也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.93, no.279, pp.13-18, 1993-10-20

磁束量子パラメトロン(QFP)多数決論理回路の回路規模の拡大について検討した。従来、歩留まり30%を得るには、1つの回路に含まれるQFP数は300以下に制限されていたが、現状の素子特性ばらつき維持しつつ、配線数を減らすことで信号レベルを大きくすれば、回路規模は指数関数的に増大できることが分った。信号レベルがQFPの全出力電流の1, 5の場合(従来:1/8)、10^4個のQFPからなる回路の歩留まりは90%になる。一方、回路遅延は多少大きくなり配線の困難さは増す。本検討結果を基に実用的回路である32ビットの加算器(パイプライン・ピッチ32ps、全遅延176ps)が3200個のQFPで設計できることを示した。