- 著者
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絳山樵夫 作
- 出版者
- 和泉屋市兵衛 [ほか4名]
- 巻号頁・発行日
- 1836
絳山樵夫撰、柳川重信(1世)画の本朝賢女絵本。半紙本2巻。天保7年(1836)夏求板、江戸・和泉屋市兵衛ほか4軒。「衆星閣(角丸屋甚助)原板」。色摺。文政6年(1823)睦月、絳山の樵者の序に「今茲重山主人は。古今の賢婦を写して。おのがやからの小女子が。勧懲の助にせまく。ふでにまかしてかき出したるを」云々とあるように、重信が描いた古今の賢女の絵に、絳山が文章を付して出板に及んだものという。上巻、「美濃弟媛」以下8人。下巻「静」以下7人。それぞれ1丁足らずの絳山による解説を付する。田舎びて森閑とした風景に、当該人物を描き入れた絵は、賢女たる由縁を説いた文章とよく調和している。本絵本は、読本を主に手掛ける画工と作家による副産物とでもいうべきもので、絵も、読本挿絵のモノトーンの精細な世界をカラーで彩ったような印象である。(鈴木淳)(2016.2)