著者
加藤 光二 綿谷 一知
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.151-158, 1978-02-28 (Released:2011-08-10)
参考文献数
10

従来より標準体重の求め方には種々の方法が紹介されているが, 数式を用いて身長から標準体重を算出する方法としては, Broca法, Jones法などがあり, わが国では8roca法の変法である {(身長 (cm)-100) ×0.9}(kg) の式が慣用されている.しかしすでに諸氏の指摘もあるように, この式は簡単ではあるが, 実際と適合しない点も多い.今回, われわれは大阪府八尾市付近在住者の体格を調査する機会を得たので, この成績と過去の諸氏の成績や厚生省栄養審議会の答申資料などを比較検討した結果, 日本人の体格は戦後次第に向上し, 身長はかなりの伸びを示したものの, 青壮年期における身長に対する体重の比率に関しては, 年代差や地方差が少ないことを認めた.現在なお標準体重の定義に関して種々問題はあるが, 日本人の青壮年期の体型が年代の変化にあまり影響されなければ, 一応それを日本人の標準体重と考えてもよいのではないかとの観点から, 年代差ならびに地方差の少ない20~39歳の身長別平均体重を標準体重と考えて, 比較的これに近く, しかも計算が簡単な標準体重簡易計算式{(身長 (cm)-50) ×1/2}(kg)を作成した。