著者
花村 由紀 縄 秀志 野坂 俊弥 池内 美希代
出版者
長野県看護大学
雑誌
長野県看護大学紀要 (ISSN:13451782)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.19-25, 2004

腹部正中創の創部張力と離床動作との関係を明らかにし,創部の負担が少ない離床方法を検討する事を目的とし,動作画像及び創部張力の分析を行った.その結果,以下の事が明らかになった.創部は「上体を起こし座位から手をついて向きを変え端座位になる」動作で縦に伸長し,「背筋を伸ばしたまま上体を起こす」「片脚ずつ下ろして端座位になる」「柵や紐を使用する場合に完全に側臥位になってから上体を起こす」動作で横に伸長していた.縦,横が伸長しない動作は「手をつかず座位から端座位になる,背筋を丸めたまま上体を起こす」「脚を上げたまま腰を回転させ端座位になる」「側臥位にならずにやや上向きのまま上体を起こす」であった.以上より創部の伸長を小さくする動作は「常に背中を丸めて動く」「紐や柵を使用する場合は完全に側臥位にならずにやや上向きのまま上体を起こす」「脚を上げたまま上体を起こし,腰を回転させ端座位になる」であった.