著者
松本 じゅん子 野坂 俊弥 北山 秋雄 多賀谷 昭
出版者
信州公衆衛生学会
雑誌
信州公衆衛生雑誌
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.74-75, 2009-08

駒ヶ根市内で聞こえる音の中で、心地よく感じる音とそれらの音が聞こえる場面を調べ、駒ヶ根市の音風景を提示することとした。駒ヶ根市内に1年以上住んだ経験のある大学生73名を対象に、駒ヶ根市内で聞こえた音で心地よく感じたものやその音が聞こえた場面などをインタビューによって調べた。その結果、駒ヶ根市の音の風景には、こまくさ橋の川の音や、対象者の通う大学構内の風の音、鳥の声、鐘の音、大学周辺地域の水の流れる音の風景などが挙げられることが考えられた。
著者
花村 由紀 縄 秀志 野坂 俊弥 池内 美希代
出版者
長野県看護大学
雑誌
長野県看護大学紀要 (ISSN:13451782)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.19-25, 2004

腹部正中創の創部張力と離床動作との関係を明らかにし,創部の負担が少ない離床方法を検討する事を目的とし,動作画像及び創部張力の分析を行った.その結果,以下の事が明らかになった.創部は「上体を起こし座位から手をついて向きを変え端座位になる」動作で縦に伸長し,「背筋を伸ばしたまま上体を起こす」「片脚ずつ下ろして端座位になる」「柵や紐を使用する場合に完全に側臥位になってから上体を起こす」動作で横に伸長していた.縦,横が伸長しない動作は「手をつかず座位から端座位になる,背筋を丸めたまま上体を起こす」「脚を上げたまま腰を回転させ端座位になる」「側臥位にならずにやや上向きのまま上体を起こす」であった.以上より創部の伸長を小さくする動作は「常に背中を丸めて動く」「紐や柵を使用する場合は完全に側臥位にならずにやや上向きのまま上体を起こす」「脚を上げたまま上体を起こし,腰を回転させ端座位になる」であった.
著者
多賀谷 昭 深山 智代 深山 智代 北山 秋雄 那須 裕 野坂 俊弥 多賀谷 昭 吉村 隆
出版者
長野県看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

中山間地域の里山における女性高齢者のグループ農業の実態を調査し,人々の健康と地域社会に及ぼす影響とグループ農業が成立するための諸条件を検討した。その結果,グループ農業の活動は,地域アイデンティティの表出としてとらえることができ,相互扶助ネットワークの強化,共同体の維持,文化の伝承など,その多面的な機能により,地域住民の心身の健康を増進し保障すると考えられる。グループ農業の成立には,表出すべき地域アイデンティティおよびそれを認知する者の存在が必須と考えられる。
著者
岩月 和彦 那須 裕 野坂 俊弥 岩崎 朗子 御子柴 裕子 本田 智子 楊箸 隆哉 奥野 茂代 田村 正枝 山田 幸宏
出版者
長野県看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

水中運動参加者の中で,生活習慣病を有する高齢者(高血圧症,高脂血症,糖尿病)と,生活習慣病を持たない高齢者の血圧,心拍数の3年間における変化を比較検討した.その結果,高血圧症を有する高齢者では,収縮期圧は140台、拡張期圧は80前後、心拍は73から76の間で保たれ、3年間安定しており服薬による血圧コントロールが適切に行われた場合,血圧及び心拍の上昇は見られなかった.「生活習慣病を持たない高齢者」の血圧、心拍数の平均値の3年間の推移です。高血圧症群と比べますと、収縮期圧が10ほど低く130台の値を示しています。拡張期圧は先ほどと同様で80前後でした。心拍は73から76の間で保たれていました。「高脂血症を有する高齢者」の血圧と心拍数は、生活習病を持たない高齢者と同様に、血圧、心拍とも正常値の範囲内で安定しています。「糖尿病を有する高齢者」は、こちらも同様に、3年問を通して、血圧、心拍とも正常値内で保たれていました。健脚度の「最大一歩幅」は、「高血圧症を有する高齢者」、「高脂血症を有する高齢者」、「高脂血症を有する高齢者」「生活習慣病を持たない高齢者」ともに、平成17年4月の時点で年齢相応の平均値より高く、移動能力のレベルが高いことが確認されますが、水中運動継続3年後には、両群ともに、さらに向上する傾向が認められました。「10m全力歩行」は、「高血圧症を有する高齢者」も、「生活習慣病を持たない高齢者」も、5秒前後の値であり、年齢相応の平均値よりも値が小さく、つまり早く歩けること、それも、3年間の年齢の増加に関わらず、3年後にはさらに値が小さく、「歩く」移動能力の向上が見られます。以上の結果、65歳以上を対象とした生活習慣病を有する高齢者の水中運動の継続による身体面への影響を検討した結果、生活習慣病を有する高齢者の血圧及び心拍に水中運動による悪影響は認められず、生活習慣病を持たない高齢者と同様に、下肢筋力や柔軟性が改善され、維持される傾向が認められました。
著者
前田 樹海 深山 智代 小西 恵美子 野坂 俊弥 田中 高政 STANLEY Grace
出版者
長野県看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

わが国では多くの地方公共団体で骨密度測定事業が実施されている。骨検診において、限られた資源や時間の中でより教育効果を高めるための方策について、提供者および利用者の両側面から研究を行なった。提供者側からのアプローチとしては、教育効果の高い生活指導に資する問診票、および健康教育に携わる保健師、栄養士、運動指導員が一定の共通認識を持って一貫性のある指導を行うための解説書の開発とその評価を実施した。問診票の項目は、WHO等が公表している国際的なリスク要因に基づき、利用者が記入しやすい、スタッフが指導しやすいという観点から厳選し、マークシート式のものを作成し評価を行なった。利用者側からのアプローチとしては、骨健診において、骨の健康について理解を深めるための解説書の作成および、骨量減少リスクを自己評価するためのツール開発を実施した。このようなツールは世界中ですでに数種類開発されているが、日本女性に特化したツールがない点、感度を高めるために特異度が犠牲になっている点が課題と考えられた。そこで、研究者らが開発した問診票からのデータをもとに、決定木による場合分けを行ない、最終的には年齢、食事、体重、20代の身長という説明変数で、骨量減少を予測するモデルを作成した。86%の精度で骨量減少を予測し、感度は91%、特異度は81%を示した。一般化のためにはさらなるデータの蓄積と検討が必要と考えられたが、地域住民が骨検診への動機付けを高めるためのツールとしては一定の役割を果たすことが推察される。上記研究成果の一部を、International Osteoporosis Foundation World Congress on Osteoporosis 2006(Toronto, Canada)およびInternational Council for Nurses Conference 2007(横浜市)にて発表した。また、第33回日本看護研究学会学術集会(盛岡市)および、日本医療情報学連合大会(神戸市)にて発表予定である。