著者
横井 毅 織田 進吾
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.412-420, 2017-05-20 (Released:2018-05-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1

薬物代謝の情報は,医薬品開発におけるリード化合物の選択に,毒性発現の解明に,治験における有用性と安全性の確保に,臨床における個別薬物療法の実践において重要な役割を担っている.近年の医薬品開発を取り巻く状況は,目覚ましい変化の渦中にある.こうした状況下で,薬物代謝や薬物動態の研究成果は,非臨床および臨床研究を広範に支えており,創薬の効率化と加速化に貢献している.本稿では,薬物代謝・薬物動態研究の視点から,今日の医薬品開発研究に関する最近の進歩を中心に解説する.