著者
林 徹 翠川 美穂
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.471-475, 2011-10-15
参考文献数
8
被引用文献数
2

3月11日の東日本大震災に伴う原子力発電所の事故以降、われわれが口にする食品や水などの放射能汚染が次々と明らかになっている.3月中旬の水素爆発直後はホウレンソウ、しいたけ、牛乳、水道水などの汚染、汚染水の海洋放出が始まるとコウナゴをはじめとする魚介類の汚染、そして7月中旬にはセシウムで汚染した牛肉の販売が明らかになった.また、母乳や子供の尿からは放射性元素が検出されている.その結果、国民の間に健康への不安が広がり、科学的な情報提供が求められている.そこで、放射能や放射線の基礎から放射能汚染した食品、飲料、大地が健康に及ぼす影響について解説する.