著者
渡辺 邦洋 背戸 文子 堤 あかね
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.37-42, 1992-01-05
被引用文献数
8 3 3

置換基を変えた3種の1-アミノ-8-ナフトール-3,6-ジスルホン酸(H酸)モノアゾ色素を合成し, これらの試薬のマンガン-過酸化水素による退色反応を利用した極微量マンガンの接触分析法を検討した.いずれの色素を用いた方法でもマンガンの定量が可能であり, 活性化剤としてはo-フェナントロリン及びタイロンが有効であった.3種の色素の中で最も感度が優れていたのは1-アミノ-8-ヒドロキシ-7-(p-ヒドロキシフェニルアゾ)-3,6-ナフタレンジスルホン酸であり, この色素を用いて0.04〜1.0ppbのマンガンの定量が可能であった.本法を水道水中のマンガン定量に適用した結果, 特別な前処理なしで直接定量することができた.