著者
小林 盾 能智 千恵子
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.70-83, 2016 (Released:2016-08-06)
参考文献数
19

この論文は,人びとが婚活(結婚のための活動)をするとき,どのような要因が結婚を促進したり阻害したりするのかを検討する.これまで,婚活について事例分析は豊富にあるが,計量分析がなかった.そこで,愛媛県の事業であるえひめ結婚支援センターを対象として,約4年間における登録者全員4,779人の推移をデータとした.結婚による退会のハザード率を従属変数としたイベント・ヒストリー分析をおこなった.その結果,(1)男性では,教育・正規雇用・収入という社会経済的地位が高いほど,結婚のチャンスが上昇した.女性では,これら社会経済的地位の効果がなかった.(2)年齢が若いほど,また結婚経験があるほど,男女ともに結婚チャンスが上昇した.(3)他に男性では,身長が高いほど結婚チャンスが上昇した.したがって,男性では働き方を中心とした地位(いわばスペック)が,女性では年齢が,結婚のおもな規定要因となっていた.実践的には,男女とも婚活をすこしでもはやくスタートさせることが重要であろう.