- 著者
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能美 佳央
- 出版者
- 秋田県教育庁高校教育課
- 雑誌
- 奨励研究
- 巻号頁・発行日
- 2017
本研究の主目的は, システム思考力の育成である。生徒の学習過程と成果について, 形成的アセスメント視点もって評価を行った。今年度を, 平成27年度から29年度の3カ年研究の最終年次と位置付けた。対象教科科目は高等学校「生物」および「総合的な学習の時間」で, 単元は「生態系と生物の多様性」である。総合的な学習の時間の内容と連動させ, 教科横断的な教材となるようにした。システム思考力の育成を図るアセスメントツールとして, 因果ループ図(CLD)を取り入れた。個人による活動, グループによるピア・アセスメント, さらにグループによるCLDの作成活動がアセスメントサイクルである。学習過程における自己・相互評価は学習意欲の向上に大きく影響を及ぼしていることが事後の質問紙調査, インタビューの内容から確認された。CLDを学習に取り入れることで, 現在学校現場に求められている「深い学び」に繋がる可能性があると考える。今後も他教科でも活用できるような汎用性の高い本質的な問いの設定及びCLDの活用方法の改善に取り組んでいく必要がある。