著者
臺野 美奈子
雑誌
天使大学紀要 = Bulletin of Tenshi College
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.33-51, 2014-06-30

本研究の目的は、臨地看護学実習評価が不合格となり留年となった学生の体験と学業を継続することができた要因を明らかにすることである。対象は学生時代に臨地看護学実習が不合格になり留年した経験を持つ、卒後二年目の看護師5名である。データ収集方法は、半構成的面接を実施した。分析方法は、インタビュー内容を質的帰納的に分析した。結果は、【留年の原因】【不合格・留年時の心境】【指導時に学生を追い詰める要因】【学生を追い詰める実習環境】【不合格・留年時の親の反応】【学生が教員に求める教育実践】【立ち直りを支えた要因】【学生の自己理解を育む支援体制】【後輩へ送るメッセージ】【実践力強化を目的とした実習内容の見直し】の10カテゴリーが抽出された。不合格・留年学生はプレッシャーに弱く、指導時に過度に緊張しパニックになってしまう傾向があった。また、教員や実習指導者の指導方法や評価方法が学生を精神的に追い詰める要因となっていたなど、不合格・留年学生に必要な指導・支援方法が示唆された。