著者
良知 耕平 日比野 治雄 小山 慎一
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.211, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究ではレビューのフォーマット中に含まれる情報の種類が消費者に与える印象を評価した。実験刺激としてノートパソコンに関する4種類のレビューを使用した。4種類のレビューは、レビューを書いた人間、評価、コメントが同じであり、含まれる情報フォーマットのみが異なっていた。レビューA:満足度、名前、コメントのみ。レビューの最低限の要素(基本情報)で構成されたもの。レビューB:レビューAにレビュー制作者の人物像がわかる要素(人物情報)を加えたもの。レビューC:レビューAにレビュー作成者の商品熟知度がわかる要素(商品熟知度情報)を加えたもの。レビューD:基本情報、人物情報、商品熟知度情報の全てを含んだもの。被験者(学生24名)はひとつの実験刺激を見ながら8種類の印象評価(信頼性,親しみやすさ等)を行った。結果、人物情報を含んだレビューBよりもレビューAの方が信頼できるという評価になった。一方、商品熟知度情報を含んだレビューCはレビューAよりも親しみを感じさせていた。ノートパソコンのレビューでは「どんな人がレビューを書いたか」よりも「どれくらい商品に詳しいか」の方が信頼や親しみに強く影響することが示唆された。