著者
石川 希典 佐藤 弘喜
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.185, 2006 (Released:2006-08-10)

世代間における鉄道券売機のインターフェイスに対する、使いやすさのイメージの違いがあると思われる。それは高齢層の被験者、非高齢層の被験者では、それぞれ使いやすいと感じる傾向が違うと考えられるからである。この世代間における、使いやすさのイメージの違いについて研究を行った。 高齢層、非高齢層に分類した被験者に対して、インターフェイスの比較及び評価実験を行った。これによりどういった操作に対して、高齢層、非高齢層の被験者が使いやすいと感じ、使いにくいと感じるかを明らかにした。全ての評価実験、解析の結果から、高齢層、非高齢層における、使いやすいと感じるインターフェイスの傾向を明らかにし、デザインのポイントとする。そして関連研究と本研究の研究成果から、券売機のインターフェイスデザインを改善したデザイン提案及び、モデルの制作を行う。
著者
木内 正人 大嶋 一矢 山本 英男 松村 記代子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.31, 2014 (Released:2014-07-04)

「紙幣らしさ」が備わる模様は、肖像、唐草模様、彩紋(さいもん)模様が代表的なデザイン要素である。しかし、紙幣のデザインは他にも重要なデザイン要素を備えている。それは紙幣に用いられている書体である。日本の紙幣(正しくは日本銀行券)において、日本銀行などの発行主体、額面金額、記番号、印章などが印刷され、それらの文字は一般国民に理解され、読みやすさ、使いやすさをもって付与されている。特に重要とされるのが「大蔵隷書」と呼ばれる書体である。「大蔵隷書」は書体名としての認知度も低く、それに関わる具体的な資料、文献もほとんどない。しかし、今日の紙幣に使われていることから、生活環境の中で誰もが目にする機会も多く、潜在意識的に広く認知できている書体ともいえる。そこで本研究では、日本の紙幣における伝統書体として「大蔵隷書」が果たしてきた役割について、紙幣デザインの歴史的変遷で説明する。
著者
金 美英 李 志炯 崔 庭瑞 八馬 智 日比野 治雄 小山 慎一
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.79-86, 2012-07-31

景観評価に関する研究は評価される景観の特徴に焦点を当てたものが多く、評価者の心理に焦点を当てた研究はほとんど見られない。本研究では、工場景観愛好者と非愛好者の心理学的評価特性を印象評価および眼球運動実験を通じて比較した。印象評価実験では、工場・橋・歴史的建造物の景観において形容詞対を用いて評価した。眼球運動実験では、これらの景観を評価する際の眼球運動および瞳孔径を測定した。その結果、印象評価実験では、工場景観愛好者は非愛好者よりも多様な評価基準を用いて工場景観を評価していることが示唆された。また、工場景観愛好者では工場景観鑑賞時に垂直方向の眼球運動が活発に見られ、瞳孔径の拡大も認められた。以上の結果から、工場景観愛好者は工場景観鑑賞時に非愛好者よりも活発な情報収集を行い、多様な評価基準を用いて評価していることが明らかになった。工場景観に対する興味や愛着によって活発な情報収集と多様な評価基準による評価が引き起こされるとともに、これらの行為によって工場景観に対する愛着が促進されていると考えられる。
著者
矢野 悠久子 上田 愼治エジウソン 寺内 文雄 青木 弘行
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.293, 2012 (Released:2012-06-11)

牛乳を原料としたプラスチックを家庭でも楽しめる造形材料として、生成方法と造形表現の可能性を検討した。牛乳に含まれるタンパク質であるカゼインを原料としたカゼイン樹脂は一般家庭でも作ることができる。同じく牛乳に含まれるタンパク質であるホエイプロテインからもプラスチックの生成が可能である。2つのプラスチックは食べられるもののみでできることから子供でも安心して扱える。まずこれらのプラスチックについて文献に基づいた生成実験を行い、さらに材料の混合比や加熱方法、膨張剤・食用色素の添加など条件を変えた実験を行った。カゼイン樹脂は皺ができ凸凹した見ためと感触が、ホエイプロテインを使ったプラスチックはツヤがありなめらかな感触が特徴的なものになった。また小学生に制作を体験してもらい、フィードバックを得た。これを基にそれぞれのプラスチックの特徴を活かした造形作品例を制作した。小学生を対象にしたワークショップや上級生が難しい作業をサポートできる縦割り活動などへの取り入れが期待できる。
著者
井上 貢一
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.159, 2005 (Released:2005-07-20)

本研究は、古典的ハリウッドのコンティニュイティー・システムにもとづいて、ショットをスムーズにつなぐための要因の整理を試みたものである。コンティニュイティー・システムは、ショット間のスクリーン上での方向や位置また時間的な関係を一致させる。特に、以下の4点は重要であると考えられる。1)エスタブリッシング(場面設定の導入を行う)2)視線の一致(因果関係による接続を行う)3)グラフィックの一致(空間的な接続を行う)4)動きの一致(時間的な接続を行う)これらは文脈効果を利用して全体の情報量を下げることで、ショット間をスムーズにつなぐものと考えられる。
著者
工藤 遥 田村 俊明
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.152, 2014 (Released:2014-07-04)

架空の存在でありながら世界中の神話に登場し、現代においてもファンタジーには欠かせない存在であり続けている竜・龍・ドラゴン。人間は彼らに対してなぜこれほどにまで興味を抱いてきたのか。そして、人間は彼らに何を投影しているのか。ここでは歴史を通して様々な姿に描かれてきた竜を追い、現代における竜のキャラクター性に目を向けることで、人間と竜との関わり、またその背後に潜む人間の自然に対する意識の変化を考察する。
著者
三澤 直加 尾形 慎哉 吉橋 昭夫
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.202, 2013 (Released:2013-06-20)
被引用文献数
1

顧客のサービス利用経験を、視覚的に表現する代表的なツールとしてカスタマー・ジャーニー・マップ(以下CJM)がある。CJMは、サービスの特性を明確に捉え、デザインの要所を特定できるため、サービスデザインのツールとして有効に活用できる。一方で、CJMの記述形式には特定の型が存在しておらず、記述の方針を決めるために多くの検討時間をかける必要があった。そこで、筆者らはCJMの記述形式を類型化できれば、CJMを利用する目的に合わせた記述がしやすくなると考え、分析を行った。その結果、3つ「記述レイアウト」と、2つの「記述視点」を見出すことができた。顧客の経験をわかりやすく記述するためには、これらを意識して書き分けることが有効であると考えられる。
著者
平井 伸幸 五十嵐 浩也
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.112, 2015 (Released:2015-06-11)

音楽のライブコンサートの魅力の1 つに大音量の重低音による振動が考えられる。この研究の目的はどのような場所でも音響的な制約に縛られることなく、また遠く離れた場所でも低音によるライブコンサートの臨場感を味わうことができる「リモートライブ」用に低音を身体に入力するウェアラブルデバイスを制作するため、人間の上半身の周波数毎の低音の振動感度と振動伝播範囲のデータを得、振動の入力に適した部位を特定することを目的としている。実験では上半身の複数の点においての振動感度を3 つの周波数で測定を行った。それと同時に振動が伝播した範囲がインタビューによって報告された。実験から、4 点の測定点において振動感度が高かったことや振動の伝播が周波数に依存する傾向があることが確認された。
著者
林 大一郎 大島 卓 鈴木 雅和 五十嵐 浩也
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.182, 2013 (Released:2013-06-20)

福島県鏡石町と須賀川市にまたがる、「岩瀬牧場」は、明治13年に設立された日本最初期の西欧式官営牧場であり、その後様々な変遷を経て規模は縮小されたものの、民営化され現在も経営が存続している。当牧場は文化財的価値を有する建築群や明治の牧場の原風景を残しているが、知名度は低く一般にその価値が認識されていない。著者らは建築・環境・プロダクト・情報デザインの観点から岩瀬牧場の価値を再評価し、地域振興に寄与する目的で研究を継続している。本論文では、岩瀬牧場に残されている農業機械群のうち、フォードソン社製造のF型トラクターに注目し、その現状調査と保全意義の考察を行った。
著者
出原 立子 藤井 朝比 前田 祐太朗
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.153, 2014 (Released:2014-07-04)

金沢市は、平成27年春に北陸新幹線開業を迎えるにあたり、滞在型観光の促進を目標とした「夜の賑わい創出事業」に取り組んでいる*1。本事業の一環として、我々は金沢の玄関口である金沢駅東口にある「もてなしドーム」において、プロジェクションマッピングを用いた実証実験を行った。 本研究のねらいは、ICTを活かし街の付加価値を創出する方法を実践的に追求することにある。今回の取り組みにおいて掲げた目標は、北陸新幹線開業に伴い新しい金沢のイメージを創り伝えること、そして新幹線開業の気運を市民と共に高めるために、見に来られた参加者達とプロジェクションマッピングとの関係性を創ることを目指した。 そこで、金沢の新たなイメージを伝えるために、もてなしドームにある構造物を対象に映像を投影する鑑賞型プロジェクションマッピングを行い、さらに、広場に集まった人々との関係性を創り出すために、インタラクティブ技術を用いた参加型プロジェクションマッピングのイベントを実施した。
著者
Keita MITOMI Mayu AKAKI Nobuyuki KOBAYASHI Kenichi TAKANO
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
Journal of the Science of Design (ISSN:24242217)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.2_91-2_100, 2021-11-30 (Released:2021-12-09)
参考文献数
22

In order to encourage the understanding of values and wide use of prototyping (PT), there are previous studies which indicate the classification of PT. While PT is essential to the development of products and solutions, novice designers can only select PT from a narrow understanding and recognition of it. Therefore, it is difficult for them to decide which kind of PT to create and they might select an ineffective one.In this paper, we divided the 74 implemented PT into groups according to the novice designer's depth of understanding of values that derived solutions have. PTs were implemented by novice designers at an example project, such as the Design Project (D-Pro) at a graduate school. Based on a review of submitted materials and interviews, implemented PTs were divided into three groups, namely "Exploratory PT", "Externalize PT", and "Needs Confirmatory PT". Through interviews with novice designers, we indicate that the proposed classification supports them to select an effective PT.In addition, by comparing the result of the performed PT when the classification is exhibited to the novice designers or not, we indicate that the ratio of PT in the earlier phase increases, and the average number of total PT slightly increases by exhibiting the classification.
著者
黒川 威人 柚木 恵介
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.28, 2015 (Released:2015-06-11)

黒沢ヒュッテとは1960年12月に長野県大町市平黒沢高原に建てられた東京芸術大学山岳部の山小屋の事であり、設計は山本学治によるものである。2015年12月に建設から満55周年を迎えるが、本研究は建築家というよりは著名な建築学者(近代建築史・建築構造学・建築評論)であった山本が遺した数少ない設計作品の一つとして、その学術的価値、中でもデザイン学的な価値について明らかにし、評価しようとするものである。
著者
高 台泳
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.226, 2012 (Released:2012-06-11)
被引用文献数
1

本研究は韓国の諸自治体が発行・制作した観光ガイドマップにおける地図記号を収集・分析したものである。研究の背景には利便性に優れた観光ガイドマップには地図記号の開発が必要と考えたことがある。まず、全ての記号を意味・内容別に整理し、幾つかのカテゴリを用意した。そして所定の表を用いて、全体と個別の分析を行った。韓国の自治体観光ガイドマップの記号は具象性が高く、その種類も観光客の便宜を意識していると考えられた。その一方、一部の記号の形が他のものと類似しているため、見分けが容易ではなかったり、逆に同じ形の記号が自治体によって異なる意味を表していたりするなど、幾つかの点において、情報の伝達段階で混乱が生じる恐れがあると思われた。引き続き考察する一方、他国の諸事例も収集し、比較・分析を行いたい。
著者
松井 実 小野 健太 渡邉 誠
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.5, 2015 (Released:2015-06-11)

設計や設計理念は進化するが,人工物は進化しない.二重相続理論からミーム学,進化経済学の様々な理論を引き合いに,普遍ダーウィニズムを基板に進化学のアナロジーを設計に援用し人工物の系譜について論じる.人工物を時系列的に変化させるのは人工物そのものからの形質の直接的な相続ではなく,より高次の支配的なメカニズムの遺伝によるものである.それが設計や設計理念と呼ばれるものであり,特に後者は極めて長期間の洗礼に耐え形作られてきた,人工物にとっての遺伝子に匹敵するものかもしれない.文化の進化はラマルク的な主体的で意識的なフィードバックの中で考えられることが多いが,ダーウィン主義的な淘汰はより優れた設計理念,アイディアが我々のもつ資源,特に我々自身を消費して繁栄している構図を明らかにする.
著者
木内 正人
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.126, 2013 (Released:2013-06-20)

偽造防止策が必要とされる印刷物(以下セキュリティ印刷物)、すなわち紙幣、国債、株券などの有価証券類、または証明書等には、複雑かつ不思議な形態をした幾何学模様が描かれている。この模様を国立印刷局では「彩紋(さいもん)」と呼んでいる。欧米では「ギロッシュ」とも呼ばれている。手書きでは描画不可能な彩紋は、セキュリティ印刷物の固有のデザイン・エレメントとして「偽造防止」と「装飾」という2つの機能を担い、近代紙幣デザインの特質を形作っている。しかし、彩紋がいかにして今日のセキュリティ印刷物のデザイン・エレメントとして定着していったのかは、手掛かりとなる資料に乏しく不明な点が多い。そこで、彩紋の起源とその後の進歩の過程を明らかにし、将来のセキュリティ印刷物が目指すべきデザインの方向性を見出す契機にしたい。
著者
大槻 裕士 佐藤 弘喜
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.169, 2013 (Released:2013-06-20)

最近の映画はシーンの入れ替わりが早くて字幕を読むのが大変である。観賞中に映像ばかりに集中していると字幕を読み逃してしまう。反対に字幕ばかりに集中していると映像を見逃してしまう事がある。そこで、字幕のレイアウトを4種類用意し、それぞれ可読性が変化し向上するか調査した。実験ではアイマークレコーダーを使用して行った。実験の結果一番読みやすいサンプルはCであり、字幕との相性はサンプルAが一番を言う結果になった。今回の実験では対象のシーンに合った字幕とは一概に言えない。今後サンプル数を増やし正確な結果を追求する。
著者
榎本 辰 松崎 元
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.276, 2012 (Released:2012-06-11)

身の回りの製品には、それぞれに商品としての特性が備わっている。商品の特性は、購入の頻度や条件、その時の流行や使用目的、経済状況などに関係して時代により変化する。そのため、これらを販売する企業は、売上を伸ばすためにもその商品の特性を十分に理解しておくことが必要である。本研究では対象を文房具とし、その特性に注目することで、得られた結果をどのように取り入れるのが適切かを検証する。また、その商品特性が今後どのように変化していくのかを考察する。
著者
臼井 敬太郎
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.30, 2014 (Released:2014-07-04)

科学万博の会場は当初から工業団地への転用が計画され、パビリオン建築も仮設的な位置づけを与えられ、転用や解体を見越した柔軟なデザインのあり方が提案された。それは、はからずとも万博が示した近未来空間の姿であった。その万博開催に先がけて運行されたPR列車「サイエンストレイン エキスポ号」は、日本各地を展示巡回した大規模なプレイベントであった。それは余剰になっていた車両、無用の長物になりつつあった貨物ホーム、操車場などの駅施設を巧みに活用した画期的な試みであった。それは、万博会場で実現されたフレキシブルなデザインを先取った、ある意味で象徴的な姿であった。
著者
杉森 順子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.93, 2015 (Released:2015-06-11)

本研究では、トヨタ産業技術記念館で行なわれた「未来へと続く夢」の事例から、博物館におけるプロジェクションマッピングが、展示物や空間と関連付けながら、どのようなコンセプトや背景により映像のデザインが行われたかを明らかにする。また、企画から上映までの運営や制作手法について述べる。このプロジェクションマッピングとは、投射(projection)と対応付け(mapping)を組み合わせた言葉で、立体物をスクリーンとしてその形状に合わせた映像を投影し、効果的な表現を行う技法である。投影された映像によって建築物や立体物が動く、光る、崩れる、曲がるなど空間錯視が生まれ、スペクタクルなイベントが行われたことで多くの興味を惹きつけた。認知度の高まりと共に、個人から大規模プロジェクトまで各地で多様な作品が制作されている。建物などに投影する中・大規模なプロジェクトでは、業務用高照度プロジェクタの導入と技術者、費用などが必要である。しかし、これらの情報は未だ十分とは言えない。ゆえに、本研究では企画から上映に至るまでの構築やデザイン手法について明らかにする。
著者
東江 麻祐 永瀬 彩子 小野 健太 渡邉 誠
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.225, 2015 (Released:2015-06-11)

近年, 人間活動による環境破壊が顕在化するにつれ, 持続可能な社会に参画する人間を育てる取り組みとして児童への環境教育に関心が高まっている.環境教育の取り組みの一つとして, 欧州においてはインセクトホテルを用いて昆虫とふれ合うことで自然を体験する方法がある. インセクトホテルとは木枠の中に木の枝や藁など様々なものをつめた人工的な昆虫の住処である.欧州においてインセクトホテルは サイエンスミュージアムや公園に設置されており,環境教育の取り組みとして広く認知されていると言える.日本の学校においても様々な環境教育の取り組みがなされており,「昆虫や植物の観察を通して自然を体験する」といったような内容の,インセクトホテルを用いて学習できるような取り組みもたくさん見受けられる.しかし,日本では知名度が低く普及していないために,インセクトホテルを用いた環境教育が実践されている例は見当たらない. 本研究では,日本においてインセクトホテルを用いた環境教育が実践されるために,日本用に改良したインセクトホテルの開発を行うことと,より教育の現場で実践しやすい指針の提案を目的と定めた.