著者
芝崎 茂夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.655-658, 1992

25年ほど前, 全国各地で大学紛争が暴発した。その後, 紛争が高校におよび教育の場が混沌たる状態になったところもあった。うっ積した戦後教育の歪みがメリメリと裂けた感じである。教育の中の人間疎外はひどかった。全部の学校がそうだとは断定できないが, 一般的にはそうした傾向が強かった。従来の学校教育はいわば一方交通のようなもの。ハードな学習計画に乗って教壇に立つ教師が強引に教え, 生徒は受身で覚えていく。無関心・無感動・無気力のハシリである。教育の正常化は勇気ある選択講座から始まった。1/4世紀を経た今, 求められているものである。