著者
芦澤 成光
雑誌
論叢:玉川大学経営学部紀要
巻号頁・発行日
no.26, pp.1-15, 2017-01-31

経営戦略の研究分野では,従来から客観的な分析による研究が中心的位置を占めてきた。その成果には確かに優れたものがある。しかし,独自性を持つ企業の行動を捉えるには,それだけでは十分ではない。独自性を説明するには,その主体となる経営者の認知機能の分析が必要になる。多くの認知プロセスに関する研究成果が出る中で,本稿では経営者の推論プロセスに焦点を当てる研究成果の検討を行っている。特に,アナロジーによる推論とアブダクションの推論の検討を行う三人の論考を検討している。