著者
花岡 健介
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2004

近年,PDAや携帯電話などの組み込み機器は非常に高機能化してきている.それに伴ってOSも年々高機能化してきているが,同時に構造が複雑化してきている.本研究の目的は,比較的規模の小さなOSであるMINIXをARMアーキテクチャへ移植し,OSの基本的な動作を理解した上で,組み込み機器の持つ要求を満たすために必要なOSの機能について議論することにある.移植を行ったMINIXの性能評価として,プロセス管理において重要なforkおよびexecシステムコールのコストを計測し,同じARM上で動作するLinuxとの比較を行った.MINIXはLinuxと比較して30倍近く遅いという結果を得たが,MINIXのオーバーヘッドとなっている部分について考察を行い,組み込み機器への適用可能性を議論した.