著者
蟻川 トモ子 花田 実
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.241-250, 1975-09-25 (Released:2010-10-29)
参考文献数
8

昭和49年夏季4日間, 冬季3日間の2回, 両国の1相撲部屋において力士の食生活の実態を調査した。対象力士は階層により3名ずつの3グループ計9名として, 期間中喫食した食事, 間食, 飲料のすべてについて食品の摂取量, 摂取栄養量を調べた。1. 1日の平均エネルギー摂取量は十両以上の関取で4,500Cal, 幕下4,360Cal, 養成の初期にあたる序二段グループでは約4,000Calであった。2. 穀類とくに米と魚, 肉, その他の野菜の摂取量が大きく, 緑黄色野菜と果実類の摂取が少なかった。3. 摂取栄養量として不足がみられたのはカルシウムとビタミンA, ビタミンB2でとくにビタミンAの不足が大きい。序二段グループではさらにこれらの不足が大きい。