著者
芹澤 善積
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.294-299, 2005-03-15

電力系統は電力の発生(発電所)から輸送・分配(送配電線網)および消費(需要家)に至るまで,大規模かつ複雑なネットワークシステムであり,わが国の2003年度末の事業用発電所数は約1 800箇所(合計最大出力約2億3千万kW),送配電線延長は約411万km,変電所数は約6 500箇所である.これを安定に運用し,電力の安定供給を実現するため,時間スケールで0.01秒から1 000秒オーダに亘る様々な監視や制御が行われている.本稿では「重要社会インフラである電力系統の機能停止(大規模停電)を防ぐために情報通信技術がいかに使われているか」について,電力系統の保護・制御システムを中心に情報通信技術の適用状況を紹介する.