著者
芹田 卓身
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.15-27, 2018-02-28 (Released:2018-04-18)
参考文献数
24

埼玉県警察では,授業抜け出しや校内暴力などの問題行動が継続している中学校に,警察職員であるスクール・サポーター(以下「SS」と記す)を派遣し,巡回,教師への助言,生徒への声かけや指導を行っている。今回の研究では,「SSと教師,生徒の関係の変化のプロセス」「教師の指導体制の変化のプロセス」「問題行動の変化のプロセス」を明らかにすることを目的として,SS計14人を対象として,主にSSの活動内容をインタビューテーマとした半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M−GTA)を用いて分析した。その結果,変化のプロセスは,「SS導入時に見られる学校の個別性」「SSへの抵抗と問題行動の継続」「SSとの連携形成と指導体制のエンパワー」「問題行動が緩和された学校」の四つにまとめられた。