著者
大久保 淳一 長谷川 翔一 髙橋 梓 竹内 頌子 若杉 哲郎 鈴木 秀明
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.277-282, 2019 (Released:2019-04-13)
参考文献数
15
被引用文献数
1

当科における過去15年間の咽頭・頸部食道義歯異物症例について検討した。症例は26例で年齢中央値は79.5歳,クラスプ介在部位最深部は食道入口部〜頸部食道11例,下咽頭10例,中咽頭4例,上咽頭1例であった。全身麻酔を要した例は14例,気管切開術を要した例が4例,頸部外切開を要した例が1例,死亡例が1例あった。全身麻酔症例は,食道入口部〜頸部食道介在義歯11例中9例(82%),U型義歯14例中9例(64%)であった。気管切開症例の義歯は全てU型で,この中には死亡した1例が含まれていた。頸部外切開例ではU型義歯が食道入口部に介在していた。以上より,介在部位が食道入口部〜頸部食道の場合やU型義歯では重症化しやすいと考えられた。