著者
田中 智之 若松 冬美 柏木 公一
出版者
一般社団法人 日本在宅医療連合学会
雑誌
日本在宅医療連合学会誌 (ISSN:24354007)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.18-26, 2022 (Released:2022-02-17)
参考文献数
12

大規模訪問看護ステーションにおける緊急訪問に関する調査を行い,その特徴を分析した.2020 年 5 月 27 日~ 9 月 1 日にA訪問看護ステーションでの緊急訪問は 236 名 627 件あった.夜間・早朝帯は 181 件(28.9%),深夜帯は 140 件(22.3%)であり,依頼内容は身体症状(71.6%)が最も多かったが,主疾患が悪性新生物とその他では内容や時間帯が異なっていた.緊急訪問の転帰は,往診と救急搬送は各 4 件(0.6%)であった.大規模化により,緊急訪問体制の維持が可能な勤務体制を構築できることや,訪問看護の介入が在宅診療医の負担軽減,地域の救急医療の適正利用に繋がる可能性が示唆された.