著者
若松 義信
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.25, no.10, pp.671-674, 1976-10-10 (Released:2010-02-16)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

2-プロム4,5-ジヒドロキシアゾベンゼン-4'-スルホン酸ナトリウム(BDAS)は陽イオン界面活性剤の一つである塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTMAC)の存在下で,中性領域で微量の銅(II)と反応して三元錯体を生成する.その錯体は530nmに吸収の極大を持ち,pH 6.4~8.3の間で最大の吸光度が得られる.更に,この三元錯体に過剰のホウ酸ナトリウムを共存させると試薬ブランクの吸光度が効果的に減少する.銅(II)が0~26μgまでBeerの法則に従う.三元錯体の見掛けのモル吸光係数は530nmで4.8×104cm-1mol-1lとなる.又,三元錯体の銅とBDASの結合比は1:2と推定される.銅(II)の定量に対して鉄(III),ガリウム,モリブデン(VI)などが微量存在しても妨害する.