著者
若松 茂雄
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.309-313, 1958-05-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
10
被引用文献数
13 9

従来酸性溶液中の遊離のホウ酸は加熟その他の処理によって非常に揮発しやすいと信ぜられている.このためにホウ素の定量にあたっては分析操作に種々な制限が加えられる.金属その他のなかの微量のホウ素の吸光光渡法による定量が困難であるとされている原因の一つはここにあると考えられる.よって著者はこの点について検討した結果,酸性溶液中の遊離のホウ酸は加熱その他の処理によって揮発することのないことをたしかめた.そしてこれによってホウ素の定量を困難にしている原因の一つを除去することができた.