著者
茶谷 文雄
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.133, no.2, pp.82-86, 2009 (Released:2009-02-13)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

精巣は次世代をつくるための精子産生と雄性機能発揮のためのホルモン産生を担う生殖器官であり,医薬品開発時の動物を用いた毒性試験においてしばしば変化が認められる.精巣毒性の多くは精上皮細胞(精細胞とセルトリ細胞)を標的とし,萎縮,空胞,多核巨細胞,脱落,消失,精子遊離遅延などの変化が生じる.精巣毒性の評価には,精子形成段階を理解した病理組織学的検査と安全マージンや病変発現メカニズムを考慮したヒトへの外挿性の判断が重要である.