著者
荒 武
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.495-503, 2021-10-01 (Released:2022-10-01)
参考文献数
14

生体内に存在する低分子有機化合物全体を表すメタボローム情報の代謝成分研究への活用は,ゲノム情報の遺伝子研究への活用に比べて遅れている.さまざまな生物種におけるメタボローム情報の蓄積および整理が不十分なことが理由の一つではあるが,新規有用成分や未知代謝制御の解明のためには,メタボローム情報の活用が重要である.そのためには,関連するさまざまなデータベースや解析ツールを使いこなす必要がある.これらのデータベースを使うと何ができるのか,具体的な利用方法と利用時の注意点を紹介する.今後の課題や,将来の学術および産業界への応用の展望も述べる.