著者
荒川 純平 米加田 徹
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.105-109, 2018-09-15 (Released:2018-10-19)
参考文献数
14

2017年に愛知県の金魚卸売市場で,体表に腫瘍状の隆起のあるキンギョが1尾発見された。このキンギョの体側部には 2~4 mm程度の隆起が複数認められ,一部に出血が見られた。隆起組織の一部を採取して検鏡したところ,粘液胞子虫の胞子が多数確認された。胞子の大きさは,長さ17.1 ± 1.0 μm(平均±標準偏差),幅6.1 ± 0.7 μmで,一つの極嚢が観察された。18SリボソームRNA遺伝子の部分配列は,Thelohanellus testudineusと完全に一致した。本研究は,国産キンギョの皮膚に寄生したT. testudineusの初報告である。