著者
荒木 克也 黒土 達也
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.256, 2010

【はじめに】<BR>患者様の在宅復帰を円滑にすすめていく上で、患者様を中心とした家族、医師、看護師、コメディカルスタッフの協力・連携が重要である。しかし、患者様の疾患が重症であればあるほど在宅復帰は難しい状況が現状であり、またその家族の受け入れ次第では復帰できる可能性のある患者様も在宅復帰を困難にしていることも現状である。そのため今回、当病院においてより良く家族に患者様を受け入れていただくことを目的として家族会を開催し、実施後の家族へのアンケート調査をもとに取り組みを行った経過および結果をここに報告する。<BR>【対象】<BR>当院回復期病棟に入院中である熊本県地域連携パスBコース(当院在宅復帰率85.7%)及びCコース(当院在宅復帰率36.2%)の患者様家族を中心に声かけを行い希望者を募った。<BR>【方法】<BR>看護部からは症例を用いて説明し、医療連携室からは介護保険制度の説明、リハビリテーション室からはベットからの起き上がり方法・車椅子及びトイレへの移乗方法を中心とした実技指導方法も交えて3部門よりそれぞれの特色を生かした説明を行なった。その後、第1回の参加者12名、第2回参加者9名、第3回参加者9名の計30名の家族会に参加した方々に終了後アンケート調査を実施した。<BR>【結果】<BR>1.開催日について:良い88%その他12%2.開始時間:良い96%その他4%3.講義時間:良い88%長い8%未回答4%4.講義内容:理解しやすい66%普通34%5.実技:わかりやすかった88%普通12%<BR>【考察】<BR>今回3年分の家族会の経過を基にアンケート調査を実施し検証を行った。アンケート調査の内容に今後取り上げてもらいたい内容、その他ご意見・ご感想の欄を設けた。その意見として、退院後のリハビリテーションの実施方法、栄養面での栄養士による栄養指導、住宅改修を実際に行った前後の写真や経費、入院期間の期限、入浴介助方法などの意見を頂いた。このような意見を基に今後の展望として家族会に上記の意見を十分に取り入れていきたいと考える。また、県外の兄弟にも参加させたい、もっと頻度を増やしてほしい、退院後も定期的に行ってほしい。と積極的な意見もみられ、これは地域連携パスにおける重傷者の患者家族の意見としてはより在宅復帰が近いものになってくるのではないかと考える。今後も検証を続け、患者様家族の意見を取り入れもっと家族会がよりよいものとなり、1人でも多くの患者様が在宅復帰できるよう支援していきたいと考える。