著者
西原 克成 荘司 延三 崎谷 博征
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会総会抄録集 第35回日本臨床免疫学会総会抄録集 (ISSN:18803296)
巻号頁・発行日
pp.62, 2007 (Released:2007-10-12)

人類に特有の自己免疫病と呼ばれる「わけのわからない免疫病」は、文明国では、今日では極くありふれた病気となっている。これらは、以前は、成人で日和見感染症、小児で自家中毒症と呼ばれたものが慢性化した疾患である。ともに自身の喉や口腔や腸管内の常在性細菌やウィルスが種々の器官等の細胞内に感染を生じて発症する。人類のみに可能な口呼吸習癖者や、腸を冷やしたり暴飲暴食した時、骨休め不足で過労の時や歯周病の歯で咀嚼した時、太陽光線不足の時にワ氏扁桃リンパ輪や腸扁桃のM細胞や歯根膜の細網内皮造血系から白血球に取り込まれた腸内細菌が血流やリンパ流に乗って体中を巡る。白血球内の細菌は最初に鰓器由来の、ホルモンによる制御システムの脳下垂体・副腎系の細胞に血行性に播種される。皮下組織の細胞が腸内細菌やウィルス等によって細胞内感染症に陥ったのがアトピー性皮膚炎である。身体が受けるエネルギーが不適当でも、身体の使い方が不適でも、ヒトは容易に腸内細菌の不顕性の細胞内感染症を発症する。これにより感染した細胞内の糸粒体が障害され荒廃する。ステロイドホルモン剤の標的器官が糸粒体である。これはATPを産生して消炎を促すが、ウィルスや細菌は消化しない。文明化により、先に示した五つの複合要因により細胞内感染症を生じ、細胞内の糸粒体の形態と機能が荒廃したのがわけのわからない免疫病の実相である。複合原因が解析出来なかったために、原因不明の自己免疫病とされたが、複合要因をすべて取り除き、腸内を整えれば予防も治療も可能である。乳幼児から高齢者に至るまでの治験症例を示す。複合要因の除去により完治する事がこれらが真の原因であることのエビエンスである。