著者
宮岡 邦任 荘田 奈美子
出版者
文教大学
雑誌
文教大学教育学部紀要 (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.118-125, 1998-12-20

本稿では、簡単な気象観測機器を使用し、身近な地域での自然環境を把握する一手法を提示し、さらに、現地における観測を実施し、結果について検討した。 研究対象地域は、埼玉県越谷市北越谷地区および南荻島・出津地区である。観測は、1997年11月28日および12月4日に実施した。その結果、以下のことが明らかとなった。 北寄りの季節風の卓越する気象条件下では、日中、内陸部の高温域と河川部に沿った低温域が形成される。これは、河川が東から西に流れている地域については、両岸の堤防ど住宅によって水面との比高が高くなり、谷地形と同様に風の集まりやすい状態が形成されていることが示唆された。また、当地域における気温の地域的差異は、本地域における風の流れが、土地利用形態および微地形によって規制された結果生じたものであるこどが考えられた。