- 著者
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菅原 健史
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.66, no.2, pp.25-34, 2017-02-10 (Released:2022-03-10)
第一次世界大戦下に発表された武者小路実篤『ある青年の夢』は、戦争を嫌いつつも非戦論者になりきれない青年を始めとして、戦死者の亡霊たち・戦争で家族を失った人々・神と悪魔・参戦諸国を擬人化した日太郎らなど多彩な人物が登場し、劇中劇や夢も含む複層構造の挿話群が展開される反戦劇である。本論はそれらを貫く主題を「安全保障のジレンマ」とその克服であると想定し、国際政治学の観点を導入して同作品の再評価を試みる。