著者
張学健 菅野文友
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.38(1987-SE-054), pp.1-8, 1987-06-24

本報告では、ソフトウェア製品のライフサイクルにおける劣化特性について検討した。信頼性工学の基本的な考え方の一つとしてのバスタブ曲線が、ソフトウェア製品の場合にも適用できるという観点から、ソフトウェア製品の故障時間分布に対応して、ワイブル分布を導入した。ソフトウェア製品は、間欠的に使用される複数のコンポーネント(機能モジュール)から構成されているシステムとする。各コンポーネントの使用確率を検討し、その使用確率がソフトウェア製品の信頼度に対する影響を調べた。ソフトウェア製品の運用段階における事後保全(リビジョンアップ)および予防保全(バージョンアップ)は、ソフトウェア製品の稼動信頼性に対して、無視できない影響を与える。本報告では、こういった影響を吟味し、バージョンアップの効果を表わすバージョンアップ効果関数も導入して、若干の定式化を試みた。