著者
Pornchai LOWILAI 椛田 聖孝 岡本 智伸 菊地 正武
出版者
Japanese Society of Grassland Science
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.16-20, 1995-04-30 (Released:2017-07-07)
参考文献数
14

米ヌカ添加ホテイアオイサイレージの飼料価値を検討した。供試サイレージとしては,米ヌカ15%添加サイレージおよび脱脂米ヌカ15%添加サイレージを調製し,肉用育成牛(各3頭)を用いて試験を行った。脱脂米ヌカ添加サイレージの可消化粗タンパク質(DCP)および可消化エネルギー(DE)は,それぞれ9.5%,2.2Mcal/kgであった。米ヌカ添加サイレージのそれは,それぞれ8.9%および2,2Mcal/kgであった。脱脂米ヌカ添加サイレージの自由乾物摂取量は体重の1.3%で,米ヌカ添加サイレージのそれは0.9%であった。また,脱脂米ヌカ添加サイレージの乾物消化率は50.3%,米ヌカ添加サイレージのそれは51.8%であった。従って,DE摂取量は日本飼養標準と比較して,維持要求量を若干下回ったが,DCP摂取量は維持要求量を満たしていた。
著者
モンティーンーアート パンヤット 中薗 孝裕 岡本 智伸 小田原 健 菊地 正武 椛田 聖孝
出版者
Japanese Society of Grassland Science
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.115-121, 1998-07-31 (Released:2017-07-07)
参考文献数
23

日本において動物園は, 有害物質による汚染のない排水の制御や飼料コストの増加などいくつかの問題をかかえている。本研究では, 生物的浄化や飼料としての水生植物の利用を熊本市動植物園内で行った。 3種類の水生植物(ホテイアオイ, ボンテデリア, マコモ)を汚水の流入する池で栽培したとき, 水中における全リンの濃度は, 植物の成長に伴い有意に減少した。 収穫した3種の植物は,湿地帯に生息する草食動物の嗜好性において良い結果がえられた。さらに, 飼料としての植物の利用は本動物園において1ヶ月当たり少なくとも約8万円の飼料費削減をもたらした。サイレージ調製について検討した結果, 添加物の必要性が認められた。 この研究から, マコモ, ポンテデリア, ホテイアオイのような水生植物による富栄養池の生物的浄化とその飼料としての利用は動物園において有効であることが示唆された。
著者
モンティーンーアート パンヤット 中薗 孝裕 岡本 智伸 小田原 健 菊地 正武 椛田 聖孝
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.115-121, 1998-07-31
被引用文献数
2

日本において動物園は, 有害物質による汚染のない排水の制御や飼料コストの増加などいくつかの問題をかかえている。本研究では, 生物的浄化や飼料としての水生植物の利用を熊本市動植物園内で行った。 3種類の水生植物(ホテイアオイ, ボンテデリア, マコモ)を汚水の流入する池で栽培したとき, 水中における全リンの濃度は, 植物の成長に伴い有意に減少した。 収穫した3種の植物は,湿地帯に生息する草食動物の嗜好性において良い結果がえられた。さらに, 飼料としての植物の利用は本動物園において1ヶ月当たり少なくとも約8万円の飼料費削減をもたらした。サイレージ調製について検討した結果, 添加物の必要性が認められた。 この研究から, マコモ, ポンテデリア, ホテイアオイのような水生植物による富栄養池の生物的浄化とその飼料としての利用は動物園において有効であることが示唆された。
著者
新井 重光 菊地 正武
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.189-196, 1971-10-29

草地の不耕起簡易造成への易溶性カルシウム塩の利用の可能性につき圃場試験で検討した。試験地は愛知県北設楽郡設楽町の名古屋大学草地研究施設内の雑木林地で土壌は腐植に富む「黒ボク」である。得られた結果は次のように要約される。1)酢酸カルシウム施用によって,牧草収量,牧草率および荳科率が高まった。しかし,2年目には炭酸カルシウム区の収量および牧草率は酢酸カルシウム区のそれらに近くなった。2)土壌分析の結果では酢酸カルシウムあるいは炭酸カルシウム施用のいずれによっても表層5cmまでのpH (H_2O,KCI),y_1に影響がみられたが,より下層では明らかではなかった。しかし,下層の置換性カルシウム含量は酢酸カルシウム施用によって明らかに増大した。このことから易溶性カカシウム塩による草地化促進の効果の原因を推定した。3)これらの結果から易溶性カルシウム塩の利用の可能性が結論された。