著者
菊岡 藤香
出版者
日本ブリーフサイコセラピー学会
雑誌
ブリーフサイコセラピー研究 (ISSN:18805132)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.36-44, 2014-10-31

死期を目の前にした時,人は自己の存在と意味の喪失に苦しむ。こうした苦痛をスピリチュアルペインといい,スピリチュアルペインは緩和医療において重要な課題となっている。本論では,終末期がん患者のスピリチュアルペィンに対して,ディグニティセラピーを用いた心理援助事例を報告し,その有用性について検討した。ディグニティセラピーは患者が最期まで自分らしく生きることを支え,遺族の悲しみを和らげることが示された。