著者
菊池 昭江
出版者
国際医療福祉大学学会
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 = Journal of the International University of Health and Welfare (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.22-35, 2013-10-31

【目的】CNSにおける自律性測定尺度を作成し,その構造的特徴を明らかにする.【方法】CNS認定者545名を対象に質問紙調査を実施した.【結果】回答者212名(38.9%),有効回答205名(96.7%).因子分析の結果,CNSの自律性は"倫理調整・ケア相談能力","他職種間調整・管理運営相談能力","看護研究の実践・活用能力"のCNS役割行動3因子,"ケアプランニング能力","クリティカルケア・総合判断能力","基礎的実践能力","自立的判断・実行能力"のCNS看護職自律性4因子構造を示した.CNS自律性測定尺度のCronbach's αは0.81〜0.94,各因子総得点と項目得点との相関係数は0.63〜0.83(p<0.001)と高い値が得られた.CNS自律性と自信や意欲,職場の人間関係との間でも関連性を認めた.なお,本研究では対象者数が少なく専門領域の経験年数も僅かに過ぎないことから,今後は認定者数の推移をみてCNSの自律性形成プロセスを検討していくことが課題である.【結論】CNSの自律性は,CNS役割行動3因子及びCNS看護職自律性4因子で構成され,尺度項目に関する一定の妥当性と信頼性が確認された.