著者
菊澤 康子 中島 倫
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.235-245, 1997-03-15

生活援助員システム(LSA)はシルバーハウジングでの高齢者の日常生活を公的に援助するという目的のために, 1987年より計画策定が開始され, 1989年より管理開始されたわが国ではじめて採用されたシステムである. 筆者は標記に関して関西地域の10力所のシルバーハウジングに関する予備調査を行い, ひきつづき1993年から1994年にかけて, 全国の40力所のシルバーハウジングに関する本調査を実施し, 次の知見を得た. (1)LSAのサービスはシルバーハウジングごとに大幅に違いがある. またLSAの処遇(給料など)にも大幅な違いがある. (2)住み込み方式のLSAの場合は24時間対応という精神的ストレスが大きい. (3)シルバーハウジング居住者のLSAに対する認知度は関係自治体の説明不足もあり, 必ずしも高くはない.