著者
星野 裕司 萩原 健志 小林 一郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.339-348, 2001-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
14

本研究では、事象を含めた景観を考察するためには、事象の想起とそれへの参画を主要な機構とする場所論的把握が必要であると考え、そのモデル化のための1つのサンプルとして明治期につくられた沿岸砲台から得られる眺望景観に着目した。九州内の3要塞 (下関・佐世保・長崎) を対象に、各砲台から得られる眺望景観を事象パターンの相違に着目し、4パターンに分類した。それらのパターンに対して、場所論的な考察を行い、現在公園化が進んでいない「疾走型」、「斜行型」は、観察者・事象・眺めの関係の中で何れかに不備があり、公園化の進んでいる「擦過型」、「周流型」は、事象の想起あるいは参画の何れかが優れていることを明らかとした。