著者
萩野孝野
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
『情報処理学会研究報告』, 情報メディア
巻号頁・発行日
vol.1998, pp.31-38, 1998
被引用文献数
2 1

昭和50年代初期において、冊子体の辞書が電子化された。その後、冊子体辞書の構造化時代を経て、自然言語処理をさらに進展させるために辞書を開発しようという動きの中で、昭和61年EDR電子化辞書プロジェクトがスタートした。現在、これらの辞書は、言語処理に携わる研究者によって、各システムにあわせた言語データとしてさらに加工して利用される言語資源の一つとなっている。本稿では、EDR電子化辞書の特徴を「概念」をつなぎ手とする相互関係の辞書ととらえ、概念に着目したEDR辞書の概要とその利用事例について、言語資源の活用という見方で述べる。また、インターネット普及時代において、電子化辞書をグロバールな利用とするためにかかわっている「オントロジーの標準化」のためのシソーラスの照合などについても紹介したい。