著者
落合 二郎
出版者
外国語教育メディア学会(LET)
雑誌
Language Laboratory (ISSN:04587332)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.71-83, 1980 (Released:2017-07-28)

このたび,語学ラボラトリー学会(The Language Laboratory Association of Japan 略称 LLA)の陳情の趣旨が生かされ,文部省の中学校英語教育機器整備費・高等学校教育近代化設備費として,外国語教育のためのLanguage Laboratory(いわゆるLL)設置費の補助予算が設けられたことは,まことに喜ばしいことです。今回の予算額は,満足のゆくものと呼ぶには程遠いものですが,これが契機となって,LLによる教育の必要についての認識が深まり,LL設置の気運が,国および各地方自治体レべル,各教育現場において高まることを期待いたします。しかし,LLについては英語教育界内部においてもいくつかの誤解があり,また,せっかくLLが設置されても,それが真に有効な結果を生み出すことを妨げるような要因が存在していることも事実です。公立高等学校現場のLL研究者,LL教育実践者の一人として,ここに,LL設置にともなって留意すべき点を,いくつか,あげてみたいと思います。