著者
落合 慈之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.6, pp.1499-1510, 2013-06-10 (Released:2014-06-10)
参考文献数
13
被引用文献数
2

国際的医療機能評価の一つであるJCI(Joint Commission International)について,我々の受審経験からその概要を紹介した.組織の機能を評価する手法として,「計画(plan)や手段(procedure)を定めているか,それは書式化されているか」を問うことには賛否両論ある.しかし,組織が目標を掲げ,それを共通の目的として展開しようとするときには,結局の所,それらを文書化して共有することに意義を感じる文化を醸成することが必要になる.医療機関という多職種が協働する組織においてはなおさらである.これからの病院の機能評価のあり方として,医療職個々のprivilege(権限)とcompetency(適性)も評価することが求められる.グローバル化の中で医療を考えるとき,日本の医療の存在をアピールするためにも,国際的認証を等閑視するわけにはいかない.新たに評価基準を策定する時には,日本版に留まらない国際的視点と発信力が必要である.