著者
落合 淳志
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.102, no.6, pp.681-686, 2005 (Released:2005-06-14)
参考文献数
16

胃癌の発生進展過程にはさまざまな遺伝子異常の積み重ねにおこっていることが明らかになって来ている.この遺伝子異常として,分化型ならびに未分化型胃癌の組織型に特徴的なものが報告されている.本稿では,これまでに報告されている胃癌における遺伝子変化の中で特に高頻度に認められるもの,および組織型に関わっていると考えられる分子を中心にレビューし,Loss of heterozygosity(LOH),microsatellite instability(MSI),E-カドヘリン,c-erbB-2,k-sam,c-met,p53およびAPC遺伝子変異の詳細について述べる.