著者
蓮沼 素子
雑誌
GCAS report : 学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻研究年報 (ISSN:21868778)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.24-41, 2015-02

近代以降、産業の発展と共に新しい文化が芽生え、現在ではポピュラー文化と呼ばれ、世界へと情報発信しながら進化を遂げている。過去に生まれた文化が同時代には新しい流行であったのと同様に、今まさに生まれている文化もまた、将来の日本文化を支える重要なパーツである。しかし、近現代の文化は日本において次世代へと継承する対象とは認識されておらず、保存・活用のための方法論も確立していない。本論は、このような近現代文化から生み出される文化資源を地元文化として次世代へと継承すべき文化資源と捉え、近現代文化アーカイブズと定義した。具体的な事例としては、地元自治体が継承している現代舞踊アーカイブズとまんがアーカイブズを取り上げ、それぞれの機関が所蔵する資料群の編成を試み、このような近現代文化資源を地元文化資源として地元自治体が継承し活用する意義と課題を提示した。