著者
蔭山 和則 須田 俊宏
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.743-746, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

副腎機能低下症の原因には,原発性と続発性副腎機能低下症がある.続発性の原因には,視床下部性と下垂体性があり,原発性を含めた原因局在の決定のため負荷試験が有用である.一般的には,現在,corticotropin-releasing hormone(CRH)負荷試験とインスリン低血糖刺激試験(ITT)が行われることが多い.原発性副腎皮質機能低下症は,ACTH試験によって副腎皮質の予備能の低下を証明する必要がある.ストレス時の副腎皮質の予備能を評価しておくことは,副腎クリーゼ予防に重要である.それぞれの検査の意義を良く理解した上で,安全に行われるのが望ましい.

1 0 0 0 OA 2.Cushing症候群

著者
蔭山 和則 二川原 健 大門 眞
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.4, pp.832-840, 2014-04-10 (Released:2015-04-10)
参考文献数
8

Cushing病の確定診断ガイドラインは特異度が高いものであるが,一部の異所性ACTH症候群とのデータ上のオーバーラップは避けられず,ACTH依存性Cushing症候群の診断には注意が必要である.Cushing症候群の治療としては,それぞれの病状を考慮して手術療法,放射線療法および薬物療法を選択する.これらの治療にはそれぞれ限界もあるが,併用も考慮し,高コルチゾール血症を是正して,予後やQOLの改善に努める.