著者
重松 幸典 喜多 景治 薬師寺 弘倫 石川 啓 中田 治人
出版者
愛媛県立果樹試験場
巻号頁・発行日
no.22, pp.5-8, 2008 (Released:2011-01-24)

1)‘媛小春’は1994年に‘清見’に‘黄金柑’の花粉を交配して得られた交雑実生群から選抜したミカンタイプの新品種である。2)‘媛小春’の樹勢は強く、直立した樹姿となるが、枝先は下垂しやすい。トゲは当初は大きいが次第に小さくなり、安定した結実状態の側枝ではほとんど消失する。3)果実の大きさは130〜150g程度で、果形は球形で、果梗部に小さなネックを生じるものが多い。果皮は淡黄色である。4)果面の粗滑は中程度で、剥皮性は良い。浮き皮が発生しやすい。通常は無核であるが、周囲に花粉が多い品種があると種子が入る場合がある。5)果汁の糖度は11度以上で、クエン酸は1.1%程度となり、爽やかな風味があり、食味良好である。