著者
横山 薫 藍澤 亨
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.76-79, 2022-12-01 (Released:2023-06-19)
参考文献数
13

近年,群馬県において早熟栽培の未成熟トウモロコシでナミハダニの被害が問題となっている。そこで,防除対策構築の一助とするため薬剤感受性検定を行ったところ,レピメクチン乳剤,フルキサメタミド乳剤およびアシノナピル水和剤は雌成虫ならびに卵に対する効果が高かった。この結果は,県内のナスに寄生するナミハダニで確認されている感受性と同じ傾向であった。また,トウモロコシにおけるナミハダニの寄生は国内では報告が極めて少ないことから,トウモロコシの寄主としての適性を探るため,被害報告の多いイチゴを給餌した場合と,発育日数,産卵数および定着性を比較したところ,ナミハダニはトウモロコシ上での発育は可能であるものの,適性はイチゴより劣ることが明らかになった。