著者
藤井 利衣 濵田 康弘 堀川 真由美 矢野 美由紀 菊間 知恵 小林 曜子 北秋 翔子 脇田 久美子 戸田 明代 宇佐美 眞
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.1357-1362, 2014 (Released:2014-12-20)
参考文献数
8

低栄養は体組織量減少、免疫能の障害、創傷治癒遅延、さらには臓器障害を引き起こし、著しい場合は死亡率も高めるため適切な栄養管理が必要である。そこで、現在、NEST(Nutrition & Electrolyte Support Team)では、多周波数BIA(Bioelectrical Impedance Analysis)法による身体組成測定装置を用いての栄養評価を試みている。多周波数BIA法を用いた体成分分析は簡便で栄養評価に有用であると思われるが、NST回診の対象となるような患者群においては約11%の患者で測定がうまく行えなかった。そのため、どのような患者で体成分分析が不可となるのかについて検討した。身体組成測定装置による測定が不可能な群では、測定可能群に比べてBMI、WBC、BUNの高値及びAlbの低値が見られた。このことから、測定不能群は、浮腫が強く血管内脱水傾向の患者像が浮かび上がった。これらの患者群では、より正確な栄養評価が可能となることが望ましい。これらの患者の栄養評価をどのようにしていくかは今後の課題である。