著者
藤井 澄子
出版者
聖カタリナ大学短期大学部
雑誌
聖カタリナ女子短期大学研究紀要 (ISSN:02869748)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.1-17, 2002-03-10

特別養護老人ホームにおける集団セッションでの選曲のあり方について, 筆者は各曲を5種類のジャンルに分類してそれぞれに『A』『B』『C』の好感度をつけた。この好感度は選曲の頻度などによって変化していくが, 年数を重ねるとともに『A』ランクが増え, 痴呆のセラピストにも学習効果が認められた。さらにAホームにおいては, 唱歌・童謡よりも流行歌に広がりが観られ, 選曲に双方を織り交ぜることで, 高齢者の心にある音楽を引き出すことができて, 生き生きとした活動を行えた。特に, 映画音楽の主題歌は, 青春時代の記憶を喚起させ, 情動を動かせる歌として有益性が認められ, 音楽療法の選択曲としての価値が期待される。