著者
藤堂 健世 江間 有沙
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.81-95, 2018-12-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
18

現在,IT人材育成とそれに伴う「創造性」の習得が幅広い年齢層に求められている.本研究では,「プログラミング教育」で育む創造力を「タスクわけワークショップ」の作業を用いて可視化できるか検討した.中学生,人工知能学会全国大会学生企画セッションの参加者,大学院生を対象にしてワークショップを行った.そのタスクわけ作業の結果を,①タスクの増え方の特徴,②集団ごとのタスクわけの特徴,③感想文の読み取りの3点から分析した.その結果,特に中学生は「経験からタスクを広げる」能力が他の集団に比べて低いことがわかった.またすべての集団において,タスクを構成しているサブタスクに分割する力が同程度であることが読み取れた.このように,タスクわけ作業の分析をすることで各グループの持っている創造力を可視化することができた.これらの知見を利用し,プログラミング的思考に必要な創造力の可視化を行うことで,児童・生徒の主体的な学びにつながることを示唆した.
著者
藤堂 健世 安田 翔也 山村 雅幸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.3Rin469, 2020 (Released:2020-06-19)

機械学習における敵対的攻撃が注目を集めている。ブラックボックスなニューラルネットに対する普遍的かつ標的型の敵対的攻撃は困難と言われており、これを利用したニューラルネットの構造解析の知見は未だ十分とは言えない。本稿では,ブラックボックス・普遍的・標的型攻撃のための画像ノイズを遺伝的アルゴリズムによって作成し、これを適用した他クラスサンプルの圧縮空間上での遷移挙動から,ニューラルネットワークの特徴量構造の特性を調査した.その結果、あるクラスに対する標的型ノイズが、他クラスのサンプルに特徴的な遷移を誘導する「巻き込み」現象が観察された。巻き込みの発生度合いはクラスごとに異なったため、クラスごとに敵対的攻撃に対する耐性が異なることが示唆された。これらはクラスの距離に対応する何らかの指標と解釈することができ,ひいては特徴量空間の解析の糸口になると考えられる.