著者
藤島 麻美 石川 ふみよ 矢作 直樹
出版者
日本保健科学学会
雑誌
東京保健科学学会誌 (ISSN:13443844)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.275-280, 2004-03-25
被引用文献数
1

中性電解水は,強い殺菌力がある上に,pHが7に近いため口腔粘膜や人体への影響も少ないといわれているが,看護領域における口腔ケアでその有用性は確認されていない。そこで本研究は健康な成人を対象に,中性電解水とイソジンガーグル液を用いた口腔ケアにおいて,唾液のpH,正常細菌叢への影響を比較し,さらに中性電解水の使用感について聞き取り調査を行った。その結果,次のような結論を得た。1.中性電解水の使用による唾液のpHや正常細菌叢への影響は,イソジンガーグル液と同等であった。2. 病原微生物が検出された症例は数例のみであったため,消毒効果について明確にすることはできなかった。3. 味覚については個人差があるが,1週間の連用が7名中6名において継続されたことから,中性電解水は口腔ケアに使用することが可能であることが示唆された。