著者
坪井 良子 石川 ふみよ 平尾 真智子 奥宮 暁子 佐藤 公美子 村松 仁
出版者
山梨医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

研究期間を通して,国立国会図書館所蔵のGHQ/SCAP Recordsから公衆衛生福祉局(PHW),民間情報教育局(CIE),民間史料局(CHS)及び経済科学局(ESS)のSheetsから,看護改革に関連する英文書を検索・収集し,分析を行ってきた。平成13年度に翻訳したNursing Education Council(看護教育審議会)の第1回から第6回分(1946.3〜1946.6)の会議録,議事録を統合して,看護教育改革の経緯を明らかにした。さらには,Council on Medical Education(医学教育審議会)の翻訳も進め,両方の会議のあり方,審議内容,その経緯など,関連性を追究してきた。これら会議での決定方針を具現化した,看護のモデルスクールであるTokyo Demonstration school of Nursingにおける設立時の教育内容(カリキュラムを含む)を見出し,占領初期の看護教育改革の実施過程を明らかにした。また,占領当時GHQ/SCAPに関与した看護職や占領期研究者へのインタビューを行った。研究活動の主な成果は,医学・看護系学会の学術集会で発表してきた。そして,従来の日本側の看護改革研究にGHQ/SCAP文書からの視点を加えて,新たな知見を提言した。特に,看護教育の改革構想に影響を与えた参加者名及び発言内容を明らかにしたことで,GHQ/SCAP, PHWが遂行した看護改革の意図,目標及び目的,経緯が明らかになり,今後の研究発展のための基礎資料となった。
著者
藤島 麻美 石川 ふみよ 矢作 直樹
出版者
日本保健科学学会
雑誌
東京保健科学学会誌 (ISSN:13443844)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.275-280, 2004-03-25
被引用文献数
1

中性電解水は,強い殺菌力がある上に,pHが7に近いため口腔粘膜や人体への影響も少ないといわれているが,看護領域における口腔ケアでその有用性は確認されていない。そこで本研究は健康な成人を対象に,中性電解水とイソジンガーグル液を用いた口腔ケアにおいて,唾液のpH,正常細菌叢への影響を比較し,さらに中性電解水の使用感について聞き取り調査を行った。その結果,次のような結論を得た。1.中性電解水の使用による唾液のpHや正常細菌叢への影響は,イソジンガーグル液と同等であった。2. 病原微生物が検出された症例は数例のみであったため,消毒効果について明確にすることはできなかった。3. 味覚については個人差があるが,1週間の連用が7名中6名において継続されたことから,中性電解水は口腔ケアに使用することが可能であることが示唆された。