- 著者
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菊池 健太郎
宮川 浩
阿部 和裕
北澤 絵里子
藤川 博敏
川口 直美
永井 孝三
賀古 眞
- 出版者
- The Japan Society of Hepatology
- 雑誌
- 肝臓 (ISSN:04514203)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.8, pp.533-538, 1998-08-25
- 被引用文献数
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16
7
HBV genotype A初感染後キャリア化した夫より夫婦間感染した妻の急性B型肝炎の1例を経験した. 症例は43歳, 家婦で, 1994年4月にトランスアミナーゼの高値を指摘され入院となった. HBs抗原は陽性, IgM-HBc抗体cut off indexは8.1で, 急性B型肝炎と診断した. 一過性の経過で肝障害は改善し, HBs抗原は陰性化した. 感染源と考えられる夫は1991年1月, 急性B型肝炎に罹患し, 以降トランスアミナーゼは正常化しているが, HBs抗原, HBe抗原はともに消失せず, HBV-DNA ponymerase活性の高値が持続し, HBVキャリアとして経過観察していた. 夫婦のHBs抗原のsubtypeはともにadwで, HBV-DNAの解析でも完全に一致し, 日本人で報告のないHBV-genotype Aと最もhomologyが高く, さらに, ユニークな4つの点突然変異を認めた.